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OVERVIEW

概 要

ご挨拶

吉岡
プロジェクトリーダー
東北大学大学院環境科学研究科 教授
吉岡 敏明

プラスチックは、短期間で経済社会に浸透し、我々の生活に利便性と恩恵をもたらした素材であります。我が国では、循環型社会形成推進基本法に規定する基本原則を踏まえ、これまでプラスチックの3Rや適正処理を進めてきており、容器包装等のリデュースを通じたプラスチックの排出量の削減、廃プラスチックのリサイクルと熱回収等の有効利用を高め、陸上から海洋への流出するプラスチックの抑制が図られてきました。一方でプラスチックは、金属等の他素材と比べてリユースやリサイクル、さらに適正処理・管理されている割合が大きくなく、世界全体で見ると、不適正な処理のために年間数百万トンを超えるプラスチックが陸上から海洋へ流出されていると推計されており、地球規模での環境汚染が懸念されています。

こうした地球規模での資源・廃棄物制約や海洋プラスチック問題への対応は、SDGs(持続可能な開発のための2030アジェンダ)でも求められているところであり、世界全体の取組として、プラスチック廃棄物のリデュース、リユース、徹底回収、リサイクル、適正処理等を行うとともに再生可能な資源の導入を+Renewableとして進めるためのプラスチック資源循環体制の早期構築及び海洋プラスチックごみによる汚染の防止を、実効的に進めることが必要となっています。

日本国内でのプラスチック資源の有効活用については、一定の水準に達しているものの、未利用の廃プラスチックが一定程度あることから、これまで以上に国内資源循環が求められています。また、中国に端を発した廃プラスチックの輸入規制が、アジア各国における輸入規制へと拡大し、マテリアルリサイクルとして輸出に依存していた廃プラスチックリサイクルフローの確保が喫緊の課題となっています。国内における廃プラスチックリサイクルフローは既に飽和状態であり、新しい廃プラスチックの資源循環ルートの確保が望まれる状況であることはいうまでもありません。

本研究は、こうした状況を踏まえ、3R+Renewableを基本原則とした「プラスチック資源循環戦略」(和元年5月策定)の下、プラスチックの資源循環体制を構築するとともに、海洋プラスチックごみによる汚染の防止を実効的に進めるための科学的な情報と政策パッケージを提示することを本研究の目的としています。

東北大学 教授 吉岡 敏明

プロジェクトの全体概要

本研究は、上記の目的を達成すべく、(1)「+Renewable」を実現するバイオプラスチックの導入推進のための技術展開と開発、(2)プラスチックの資源循環に資する社会システム構築、(3)プラスチックの海洋流出の実態把握と制御するための技術評価・開発の3テーマによる研究を実施する。

全体で総合的なプラスチック資源循環を実施するフレームワークを構築し、必要な共通開発項目および要素技術項目を整備する。テーマ1においては、プラスチックのバイオ化重点領域の絞り込みに向けた政策的研究を進めるため、主にプラスチックの原料を確保し、経済的に生産するための基盤整備とバイオプラスチック利用促進のためのキーテクノロジーの絞り込みを行う。テーマ2においては、プラスチック資源循環に係る持続可能な技術や社会シナリオの社会システム学的評価基盤を構築し、環境制約を満たす総合的シナリオを、関連ステークホルダーとの協働で提示する。テーマ3については、マイクロプラスチックを含むプラスチックごみの排出インベントリを作成・評価する手法を確立するとともに、プラスチックごみの海洋流出防止に向けて、既存汚水処理技術の改善技術及び対策を提案するほか、市民活動としてのプラスチックごみ拾いによるプラスチック排出量の低減効果を評価する。

テーマ3によって作成・評価される排出インベントリは、テーマ1におけるプラスチックに求められる機能の設計指針を与えることとなる。特に、面源で排出されるプラスチックについては排出制御が困難なため、想定されるプラスチック製品の素材を生分解性機能を付与したプラスチックに転換するための指針を両テーマが連携して提示する。また、テーマ1で検討されるリサイクル可能なプラスチックのプロセス開発・展開により、排出インベントリで評価される各排出源からの排出量の抑制につながる。テーマ2においては、プラスチックを造る側・循環利用する側(テーマ1)と排出・流出を評価・抑制する側(テーマ3)とのシナリオを技術と社会面からデザイン(コ・デザイン)する。

本研究の全体目標と個別目標

全体目標

・プラスチックの3Rに加えバイオプラスチックの導入を基軸としたプラスチックの持続可能な資源循環とプラスチックの実効的な海洋流出制御を両立する新たな社会システムと、その裏付けとなるバイオプラスチックの導入促進に向けた技術やプラスチックの海洋流出実態等の科学的情報から構成される新たな政策パッケージを構築する。

・また、タスクフォース「環境・経済が両立するプラスチック政策に向けて」を設け、技術・社会・経済の課題を多面的に議論し、実務に資する政策デザインを検討する。


個別目標

1.「+Renewable」を実現するバイオプラスチックの導入推進へ向けた学術基盤の確立
2.プラスチック循環システム構築のための新しい循環技術の開発・政策提示
3.プラスチックの3Rプラスと排出抑制に係る社会システム政策パッケージの提示
4.プラスチックの海洋流出の実態把握と制御
5.海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにまで削減する(大阪ブルー・オーシャン・ビジョン)ための社会システム構築への貢献

本研究の目指すプラスチック資源循環・海洋流出抑制の姿

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